大学院・工学研究科 研究室
材料システム工学専攻

生体材料システム学講座 医用材料工学分野(成島・上田研究室)

研究テーマ

  1. セラミックスコーティングによるチタン材料の骨適合性向上
  2. 表面改質を利用した生体用チタン材料の高機能化
  3. 生体用チタン合金の組織制御
  4. 生体用コバルト-クロム-モリブデン合金における炭化物制御と高機能化
  5. 金属系生体材料の生体内腐食挙動とアレルギー性

研究内容

「材料物理化学を基礎とした医用材料に関するプロセス開発と特性評価」

超高齢社会の到来により、我が国では生体機能の低下や喪失に直面する高齢者人口の急増が予想されています。事故や疾病によるものも含めて、このような人々が快適な生活を維持することは重要で、失われた生体機能を再建するための医療技術への関心が高まっています。例えば、人工関節や人工骨に代表される硬組織代替デバイスのさらなる高機能化・高安全化を図るためには、それらを構成するバイオマテリアルにまで遡った検討が必要と考えられています。

当研究室では、材料物理化学を基礎として、イ)金属系生体材料であるチタン・チタン合金、コバルト-クロム-モリブデン合金の組織制御、ロ)金属系生体材料の腐食挙動とアレルギーの関係、ハ)セラミックス系材料であるリン酸カルシウムを用いた表面処理および骨適合性向上に関する研究、を行っております。また、これらの材料の基礎および応用研究は、東北大学加齢医学研究所、同大学院歯学研究科、同大学院薬学研究科および金属材料研究所との密接な協力関係の下、遂行しております。

図1 当研究室における研究概念。金属-セラミックス-医用デバイスの3つを大きな柱として研究を進めている。

図1 当研究室における研究概念。金属-セラミックス-医用デバイスの3つを大きな柱として研究を進めている。

図2 RFマグネトロンスパッタリング法により作製した非晶質リン酸カルシウムコーティング膜(a)と家兎大腿骨埋入後(b)のSEM写真。膜厚0.5m程度の非晶質リン酸カルシウム膜が、埋入により吸収され、新生骨が形成されている様子が分かる。

図2 RFマグネトロンスパッタリング法により作製した非晶質リン酸カルシウムコーティング膜(a)と家兎大腿骨埋入後(b)のSEM写真。膜厚0.5m程度の非晶質リン酸カルシウム膜が、埋入により吸収され、新生骨が形成されている様子が分かる。